学芸員室の雑記帳

暑さとの戦い、夏の陣

7月に入り体に堪える‘あつい’日が増えてまいりました。三連休も関東は40℃に迫る猛暑日が続き、これから迎える夏本番をいかに乗り越えるか、乗り越えられるか…そんなことを純粋に心配している次第です。

さて、この暑さは地球温暖化の影響、異常気象などと言われておりますが、40年ほど前の幼少期を振り返りますと30℃を超す日は限られ、猛暑と呼ばれるような日は随分少なかったものです。夕方になれば夕立とともに、涼しい風が通り、日中の火照った路面も幾分冷やされ、過ごしやすかった宵が懐かしく感じます。
気象庁の過去の7月の平均気温(東京)では、昨年2022年は27.4℃、今年は28.3℃(7/19現在)となっております。古くは弊社が創業した1900年(明治33年)は22.8℃、その半世紀後の1950年(昭和25年)は26.5℃、元号が変わった1989年(平成元年)は24.1℃とのことです。推移は単純な右肩上がりではないようですが、昨年、今年の‘あつい’は体感だけではなく数値からも明らかのようです。1900年と今年では5度以上もの平均気温に差があり、人類はどこまでの気温上昇に耐えられるのか、恒温動物も変化に適応できなくなる日が訪れてしまうのではないか、そんな思いさえも頭を過ります。

報道によりますと、毎年酷暑で命を落とされている方もいらっしゃいますので、冷房をしっかりと効かせ、水分補給を忘れず、あつさと向き合いたいものです。当館もエコと資料保存を意識しながら、適温でお客さまをお迎えしておりますので、お近くにお越しの際には、火照った体の休息に是非お立ち寄りください。これからまさに暑さとの戦い、夏の陣の本番を迎えます。皆さま、くれぐれもご自愛くださいませ。