学芸員室の雑記帳

十館十色~企業博物館その(5)~

精進湖より

あけましておめでとうございます。

皆さまにおかれましてはよき新年をお迎えのことと存じます。昨年末より晴天に恵まれた日が続き、関東では晴朗な空の元、初日の出を拝むことができました。今年も素敵な一年になりそうです。本年も帝国データバンク史料館をどうぞよろしくお願い申し上げます。

今回は小休止の気持ちでお読みいただけましたら幸いです。新しい一年を迎えるにあたり、なにを題材にしようか迷っているうちに筆が止まってしまい、初心に帰ればなにか違う発見があるかもしれない…と、これまで数回にわたり投稿してきた十館十色の雑記帳を見返してみました。

そうしているうちに「そもそも、企業博物館とはなにか?」という大きな問いが頭に浮かんできました。文面をそのまま読み取ると、「企業」が運営する「博物館」。しかし、自社にスポットを当てて製品・創業者の歴史を学んでもらう目的の企業、製品にスポットを当てて同じ業界に関連するものを国内外問わず展示している企業、美術館として運営する企業など、その展示内容の形は様々あり、また、運営方法に関しても研修施設・ショールームとして機能している場合もあるため、それらをひとつの定義に当てはめるのはとても困難で、まさに十人(館)十色であると感じます。企業博物館をテーマにしているのであれば、いずれ突き詰めていきたい問いであります。

当館でリストアップされたデータをベースに、企業博物館の情報を発信していきたいという思いからはじめたこのシリーズ。専門分野として研究されている皆さまの知識量には遠く及ばないことは重々承知の上ですが、博物館を訪れる一来館者としての視点を大切に、思案を重ねていきたいと考えております。引き続きお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

史料館は本日1月5日(木)より開館しております。皆さまのご来館をお待ちしております。