学芸員室の雑記帳

よみがえる色つきの世界

前回の雑記帳のモノクロ写真に色をつけてみました。

モノクロ写真からカラー写真への移行はいつ頃かなどの話をしているなかで、AIによる白黒写真の自動色付けのアプリやwebサービスがあるということを知りました。早速アプリをダウンロードし、手元にある白黒写真を次から次へとカラー化してみました。白黒に移る風景は遥か昔の出来事で、現在とは隔絶した世界に感じがちですが、カラーにしてみると、急に現在と地続きになり、一気に身近に感じられます。特に人物はカラー化することでより存在感が増し、白黒写真しか残っていない創業者がぐっと身近に感じられました。

モノクロ写真の人の手による彩色は以前から行われていましたが、自動色付けサービスはその彩色作業を蓄積された膨大なデータを元に瞬時に行ってくれます。実際に近い色ではあれども、実際の色を再現するものではないことを重々承知したうえで雰囲気を楽しむのがよいようです。白黒写真をデータで持っていなくても、アプリで写真を撮影するだけの手軽さに、実家で整理されつつあるモノクロ写真など、しばらく手当たり次第にカラー化してしまいそうです。