学芸員室の雑記帳

関東大震災から100年

先日、南海トラフ巨大地震発生から1週間以内にさらに別の巨大地震(後発地震)が発生する確率が平時の約100~3600倍にもなることが報道されました。また、南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、今後30年以内に発生する確率は70から80%と言われており、地震に備えた対策の必要性を改めて感じています。

さて、今年は大正12年(1923年)に10万人以上の死者・行方不明者を出した関東大震災から100年を迎えます。弊社も大震災においては、帝国興信所の本所ビル(1918年12月竣工、煉瓦造り3階建)も3階の床が抜け落ち、事務所が社員と什器を乗せたまま2階を打ち抜いて1階まで落下、社屋も全壊し、6名の尊い命を失う大惨事となりました。この壊滅的な被害の中、「四十七士的決死の勇士」と名付けた選抜社員を中心に組織を見直し、わずか15日後から業務を再開したとのエピソードが残っていますが、28年前に発生した阪神淡路大震災、そして12年前に発生した東日本大震災の被害状況を思い出しますと、火災、津波などの2次災害の影響は恐ろしく、関東大震災における先人社員のご苦労は想像に難くありません。

当館には、震災を乗り越えた従業員の思いが記された手記が所蔵されております。どこかの機会に、みなさまにご高覧いただければと考えております。ご期待ください。