当社にとって今年は創業125周年の節目の年です。では、100年前は何があったのだろうと、先日改めて社内の記録をたどってみました。
1925年、帝国データバンクの前身である帝国興信所は創業25周年を迎え、記念事業として担当業務部署の変更や新入社員の養成に努めるなど、業務改善を実施しました。また、関東大震災の大打撃を乗り越えて、2月に高松支所、6月に松江支所、11月に真岡出張所を開設しています。
中には、小さいながらも印象に残った記録もありました。100年前の5月25日の社内報『脱俗』に記載されていた「所員徽章制定佩用の件」。社章の制定に際し、執務時間中は必ず身につけ、「言語行動を慎み所員徽章を汚すが如き不信行為は絶対になさざる事」と周知されています。
この雑記帳でも以前取り上げましたが、1970年まで本社を構えていた桜橋(現在の中央区新富町あたりの旧称)にちなんだ桜マークの社章は、中央に信用調査の「信」の文字が配され、50年間使用されました。
1975年8月、社章の使用中止を伝える通達には「バッジを外しても75年の伝統と歴史を持つ帝興社員の誇りは失われないものと確信します」と記されています。
奇しくも創業125周年記念号として今年3月に当館が刊行した『帝国データバンク史料館だよりMuse』Vol.46では、満開の桜のようにコラージュしたその社章が表紙を飾りました。当社の歴史の節目を見守り続けている社章。不思議な巡り合わせを感じずにはいられませんでした。
桜マークの社章は、史料館でも展示してご紹介しています。
館内で最も小さな展示です。ご来館の際にはどうぞお見逃しなく。