学芸員室の雑記帳

帝国興信所創業30周年記念大祝賀会

巷では、両国国技館で行われた大相撲夏場所で2場所連続4回目の優勝を果たし、横綱昇進を正式に決めた、第75代横綱・大の里の誕生が話題になっています。初土俵から所要13場所での横綱昇進は、横綱が番付上の地位として明文化された明治42年以降、最速の記録とのこと、一ファンとして今後の活躍が楽しみでなりません。

さて、『Muse』46号でもご紹介しました「帝国興信所創業30周年記念大祝賀会」、実は今から95年前、1930年の昨日5月28日に両国国技館において開催されました。大相撲夏場所ともご縁があるのでしょうか…、両国国技館での夏場所千秋楽が5月25日、翌日は全力士の休養日、その翌日27日には天覧試合が催され、28日にわが社の30周年記念大祝賀会開催といったスケジュールで日程が組まれたようです。初代武夫は、この3年後に無くなっているため、まさに初代の集大成ともいえる式典、来賓のほか当時の所員を含め1万5千人もの方が参加され、来賓祝辞、所員表彰等に続く余興相撲には、常の花、宮城山の両横綱をはじめ力士が総出場され、式典は大盛況だったようです。これまでも初代の相撲愛については何度もご紹介しておりますが、初代は厳しい鍛錬で磨かれた力士が正面からぶつかり合う相撲道に、弊社の理念の一つであります「至誠努力」による自身の人生感を重ねていたのではないかと感じます。

当館では、興信業(信用調査業)に対する世間の理解も少ない中、事業を起ち上げ、実業道徳の興隆、信用取引の発達拡大に挑んだ初代の事績を辿る展示を行っています。皆さまのご来館をお待ちしております。