HPやSNS、『Muse』でも既にお知らせのとおり、当館では現在、企画展示「昭和100年・『帝国タイムス』終刊記念 帝国興信所が報じた昭和経済」(前期)を開催しています。
明治39(1906)年、『帝国興信所内報』として創刊以来、名称の変更を重ねながら、119年にわたり日本経済を報じてきた『帝国タイムス』。本企画では、昭和年間の紙面に焦点を当て、前期・後期に分けてその歩みを辿ります。
前期展示では、高度成長が始まるまでの約30年間の紙面をご紹介しています。金融恐慌や世界恐慌、戦時下の統制経済、戦後の財閥解体、そして朝鮮戦争による特需景気など、激動の時代を報じる紙面は、「昭和経済の縮図」といっても過言ではありません。
ご見学の際には、信用調査会社が報じる冷静かつ詳細な経済情報に、ぜひご注目ください。また、紙面全体にも目を向けていただき、見出しの言葉や、手書きの題字、広告など、当時の息遣いを感じていただけましたら幸いです。
ちなみに、昭和6年1月7日『帝国興信所日報』の紙面には、初代・後藤武夫の謹告が掲載されています。
「当帝国興信所は明治33年創業以来終始一貫姿勢努力主義を以て執務の大方針となし所員一統相結束し以て業務の改善拡張に努力致して居りますが調査報告の遅延不備誤謬其他所員の言動等に就いて御気付の事が御座ましたならば何卒御腹蔵なく私迄御注意下さいまする様御懇願申し上げます」
小さな囲みに掲載された「私迄御注意下さいまする様」の一文には、恐慌の最中、調査活動や情報発信を行う信用調査会社としての責任を表明する、初代の思いも滲んでいます。
ぜひ、ご来館の上、紙面の声に耳を傾けていただければ幸いです。
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