学芸員室の雑記帳

昭和の記録をめくる

1969(昭和44)年7月20日、アポロ11号が人類として初めて月面に着陸してから、すでに半世紀以上が経ちました。そんな歴史を思い起こさせるかのように、昨日は探査計画「アルテミス計画」において、4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船が月へ向かったというニュースが大きく報じられました。今回のミッションは、約10日間をかけて月を周回し、地球へ帰還する計画とされています。宇宙開発をめぐっては、関連ビジネスや各方面の期待など、さまざまな見方があるのも事実です。ただ、そうした事情を少し離れて眺めてみると、人類が再び月を目指すという計画そのものに、やはり心が躍るロマンを感じます。

さて、当館では現在、「帝国興信所が報じた昭和経済(前期)」と題し、『帝国タイムス』が伝えた昭和期の経済トピックを、当時の紙面を通してご紹介しています。そこでふと、アポロ11号の月面着陸を取り上げた記録が残っていないかと思い、当時の紙面をめくってみました。残念ながら、月面着陸そのものを報じた記事は見当たりませんでしたが、紙面をめくる中で、思わず目を引く、どこか懐かしさを感じる広告に出会いました。今回は、そちらをご紹介したいと思います。

こちらは、昭和44年7月16日号に掲載された、暑中見舞いとしてご出稿いただいた広告です。三菱銀行、三井銀行、富士銀行、日本長期信用銀行、日本興業銀行-- 当時を代表する大手銀行の名が、紙面にずらりと並んでいます。半世紀以上の時を経て、日本の銀行の姿も大きく変わりました。こうした広告を通して昭和の一コマを振り返ると、経済の移り変わりや時代の流れを、改めて実感させられます。

4月21日からは、昭和30年以降に焦点を当てた後期展示を開催します。『帝国タイムス』が報じた「東京オリンピック」や「2度のオイルショック」など、昭和に関する記事から当時の空気感を感じていただければ幸いです。後期展示も、皆さまのご来館をお待ちしております。