学芸員室の雑記帳

シンクロニシティ

これまで生きてきて、説明のつかない不思議な体験というものをあまりしたことがなく、周囲でそういうエピソードを聞くたびにうらやましく感じていました。不思議な体験とまでは行かなくとも、ふと、あの人はどうしているだろうと思うタイミングで連絡が来るような、ちょっとした偶然なら何回か経験したことがあります。
先日、『帝国ニュース』(弊社刊行倒産情報紙)の「Break time」というコラムで、こういった偶然をシンクロニシティと呼ぶことについて触れていました。読んだその日に、たまたまあれどうなったかなと思いだした案件についてちょうど連絡が来て、まさにシンクロニシティでした。

クロスカルチャー出版さんが毎年刊行されている、当館所蔵の『帝国信用録』の復刻版。3年前の第2版の刊行直前に、長らく未所蔵であった第1版を入手するというに幸運に恵まれました。今年は18版の刊行予定でしたが、昨日、古書店で発見し購入した14版(大正10年)の原本と18版の復刻版とが同時に届くという偶然に見舞われました。この前(昨年)刊行した復刻版は13版(大正9年)でしたので、タイミングとしては3年前の偶然に近いものがあります。
文章にしてみるといまいち伝わりにくいですが、大正10年の信用録を購入できたこと自体奇跡的なことで、例年9月刊行であった復刻版が今年は5月に刊行されたことも思わぬイレギュラーで、それが同時に届いたのは大変なシンクロニシティです。

資料の入手を強く願う思いが、引き寄せた偶然だと思えば、二度あることは三度ある、復刻版刊行中に信用録が全巻揃うような奇跡を信じてみたい気もします。