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当館の所在地は、新宿区四谷。
当館までの交通アクセスについてお問い合わせを受ける時などを除けば、学芸員室での業務を通して「今、四谷で仕事をしている!」と実感する機会はそれほど多くありません。
とはいえ、この地にご縁をいただいている以上、地域やゆかりのある場所について知ることも大切だと感じています。
「四谷といえば?」と問われて思い浮かべるものは、人によって、またその時々によってさまざまだと思いますが、今は夏のせいもあるのでしょうか、真っ先に「四谷怪談」が頭に浮かびます。
怪談は夏の風物詩。
今夏は、講談師による四谷怪談を鑑賞する機会がありました。
四谷怪談ゆかりの神社が、四谷の地にあることは以前から知っていたので、これを機に訪ねてみることにしました。
写真①は、8月某日に訪れた「於岩稲荷田宮神社」(通称・お岩稲荷)です。朝にうかがったこともあり、境内には清涼な雰囲気が漂っていました。
写真②の案内板によると、お岩さんは実在の人物で、実際には夫婦円満に暮らしていたそうです。また、「お岩稲荷」も、お岩さん夫婦が暮らした屋敷内にまつられていた社とのことでした。
実在したお岩さんのほかにも、四谷怪談の成立には多くの人や出来事が関わっているかと思います。物語が形づくられ、今日まで伝えられてきた過程に思いを巡らせると、幸せに暮らしていたとされるお岩さんが、物語の中では不幸な女性として語り継がれていることに、どこか不思議な気持ちになります。こうして現地を訪ねてみると、四谷怪談の印象も、以前とは少し異なるものになりました。
今回はお岩稲荷を訪ねましたが、四谷にはまだ足を運んだことのない場所が数多くあります。
日々の業務に向き合うことはもちろん大切ですが、ときには館の外へも目を向けながら、ご縁のある土地について知識を深めていきたいと思います。