学芸員室の雑記帳

トキワ荘マンガミュージアムを訪れて

先日豊島区椎名町を訪れる機会があり、同地にある「トキワ荘マンガミュージアム」で展示を拝見させていただきました。ちょうど開館2周年にあたり、「漫画少年 大展覧号―幻の雑誌 完全揃い101冊―」の記念展示を目にすることができました。マンガ家志望の若者たちがトキワ荘に集うきっかけとなった『漫画少年』が、ウオールケース内に一堂に展示された様子は、まさに圧巻で見応えがありました。まるでタイムスリップしたかのような錯覚をも覚える展示で、昭和レトロな漫画の表紙に目が釘付けとなりました。

通常の展示では、少年時代に楽しませていただいた赤塚富士夫、藤子不二雄など著名な漫画家のお部屋や共同生活の様子(※写真は共同炊事場)を垣間見つつ、天才バカボン、おそ松くん、ドラえもん、オバケのQ太郎、忍者ハットリくんなど、数々の懐かしい漫画との再会。数十年しか経っていませんが、偶然古い友人と再会したかのように懐かしさがこみ上げ、ミュージアムに来てよかったとつくづく感じました。学芸員の方から今年の4月に安孫子先生がお亡くなりなられたことを伺いました。学生時代にオーストラリアの空港で偶然我孫子先生にお目にかかり、優しく写真をご一緒してもらった記憶も思い出し、一層懐かしさを感じた次第です。

私自身、漫画や漫画家に知識を持ち合わせておりませんが、昔楽しませてもらった漫画に接することで、忘れてかけていた童心を蘇らせ、懐かしさを感じるひとときを過ごすことができました。皆さまも、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。