学芸員室の雑記帳

40号刊行!

先日、無事『Muse』40号を刊行しました。

表紙は、山本周五郎の直筆。インクの濃淡がよく出ています。なかなか躍動感溢れる癖のある字で、先日山本周五郎が恐らく晩年に書いた手紙を見せていただく機会がありましたが、一目で周五郎の字だとわかりました。『震災手記』しか見ていないにも関わらず、年を経ても変わらない癖字に周五郎らしさが溢れているように思いました。

数日前の日経新聞の「あすへの話題」で、作家の井上荒野さんが、文章をシェイプアップするというお話をされていました。シェイプアップという表現があまりにも言い得て妙で、印象深く読んだ回でした。作家の文章とは比ぶべくもないですが、文章を書く以上、字数との闘いは避けられません。Museの原稿もどちらかといえば字数が足りず、章や画像を足すことに、つまり太らせることに躍起になっていますが、書いた文章を別の媒体に掲載することになり、今まさにシェイプアップを試みているところです。シェイプアップをすること自体は嫌いではなく、むしろ無駄を削ぐ作業は快感です。無駄な文章を削りに削ってすっきりした文章に爽快さを感じつつも、それだけ今までの文章に無駄が多かったことに愕然としたりしています。

社内のみのお話ですが、今号から、社給のスマホにMuse専用アプリを配信することになりました。社給スマホをもたない史料館員は残念ながら見ることができませんが、より多く社内でも読まれることを期待しています。

皆様にはぜひこちらからお読みください!