学芸員室の雑記帳

ロゴマークが伝えるもの

昨日、6月5日は「ロ(6)ゴ(5)」と読む語呂合わせから、一般社団法人・日本記念日協会が認定・登録したロゴマークの日。

改めて、いくつかの有名企業のロゴマークを調べてみると、岩崎弥太郎の家紋「三階菱」と土佐藩の藩主であった山内家の家紋「三ツ柏」を合わせた三菱グループのスリーダイヤや、「丸に井桁三」により天・地・人の三才を示す三井グループのロゴマークなど、歴史ある企業のロゴマークには、由来や想いから好奇心を掻き立てられます。このロゴマーク、日本企業においては1980年代~90年代に欧米の影響を受けて「CIブーム」が起り、経営戦略の一つとして様々な企業で導入、定着していったようです。有名な話ですが、世界的な企業アップル社のロゴのリンゴがかじられている理由は、単純に「他の丸い果物と誤解されないためのデザイン」と言われていますが、コンピューターの記録単位である「byte(バイト)」とかじるの「bite(バイト)」をかけて誕生したなど、さまざまな憶測や説も存在するところが、ロゴの魅力の一つのようにも感じます。

翻りまして、弊社のロゴマークは、1981年(昭和56年)の帝国データバンクに社名変更と同時に写真のロゴが制定されています。弊社の3大主義(脱俗主義、至誠努力主義、大家族主義)と帝国データバンクの頭文字のTがデザインされ、ブルーは雄大かつ無限の宇宙(コスモス)と清潔さを表現、しなやかさをもつ曲線が変化への柔軟性と3大主義のもつ「伝統」との調和を表現しています。皆さまは弊社のロゴマークからどのような印象をお感じになるでしょうか。

企業のロゴマークは、それぞれの企業が伝えたい想いやブランドアイデンティティを表現する重要な要素です。顧客や消費者に対して企業の特徴や価値観を伝え、信頼性や信用性を高める役割を果たしていますが、制定時の想いを少し覗いてみますと企業文化や目指すべき方向性などが垣間見ることができ、とても興味深いものですね。