学芸員室の雑記帳

資料整理

目途は立ったが学芸員室を埋め尽くす段ボールたち

博物館において資料の適切な保存は最優先事項であり、そのための整理は欠かせないお仕事ですが、収蔵庫の棚卸しをしたいと思いつつ、目の前の業務を優先しているうちについ後回しになりがちです。最近、優先して整理しなければならない期限付きの資料があり、段ボールに詰め込まれた資料に白手袋で立ち向かいました。扱いの判断に困る資料たちに悲鳴を上げ、粉々に砕けた紙袋のダストにむせながら、選別をしていく作業もまた楽しからずや。

館員総出で集中して進めたおかげで先の見えなかった整理作業にも目途が立ち、改めて時間がないのではなく、時間とはつくりだすものであり、力業であるということを実感しました。最近、資料をお借りしに他館や個人宅を訪問する機会がしばしばあり(感染対策には十分気をつけつつ)、直接お会いしなければうかがえなかったお話やオンラインにはない微妙な間合いなど、やはり直接対面に優るものはないとしみじみと感じました。現地現認。まだまだ訪問できない場所も多く、一日も早いコロナの収束を願うばかりです。