学芸員室の雑記帳

修学旅行

テレビの街頭インタビュー(in巣鴨)で「昨日までほりごたつだよ」というコメントを聞きながら、かき氷を食べるちぐはぐさ。気温の変化になかなか体が追いつきません。夏か冬かわからない中途半端な恰好で史料館に向かう外堀通りは、新緑の草木まぶしく、着実に夏は訪れているようです。

この季節といえば、修学旅行。コロナ禍で途絶えていた中高生の来館が、5~6月一気に復活しました。岐阜県や三重県など遠方から修学旅行にきた生徒さんがグループ行動でそれぞれ企業の施設を訪問され、史料館も訪問先の一つとなっています。
特に中学生のご来館は、本当に久しぶりで、信用取引や信用調査といったやや固い内容をいかに身近に感じ、楽しみながら理解してもらえるか、試行錯誤しつつご案内しています。世の中にはこういう仕事があるんだ、こうやって経済が回っているんだという驚きを楽しみに変えて、修学旅行の思い出として何か一つでも記憶に残ればと願います。
見学にあたり、館員に質問するというミッションが事前に用意されているようで、皆さん緊張しながらさまざまな質問を投げかけてきます。自身も修学旅行の際、外国人観光客に英語で話しかけ質問してくるというハードルの高いミッションがあったことを思い出しました。必死で話しかけた記憶は鮮明に残っており、自分たちで質問を考え、投げかけるという行為は、思った以上に強く印象に残ります。

完全にコロナ前とは同じようにはいかなくても、世の中が動き始めていることを実感します。開催中の展示は、関東大震災から100年という節目もあり、一企業からみる関東大震災というピンポイントでマイナーな内容にもかかわらず、多くの方にご来館いただいています。これから9月1日に向けて各地で展示やイベントが盛んに開催されていきます。牧野富太郎関連の展示も気になります。
史料館からも少しずつ外へ、外に向かっていきたいです。